国際教育研究所理事長からのご挨拶

山岸信義(Ph.D. 言語学・元大学英語教育学会理事)

 本学会は1991年10月に発足し、2021年度には、創立30周年を迎えます。創立以来,当研学会では,国際的日本人養成のための言語・文化教育の向上をめざし,研究・研修及びその推進活動を行うことを目的としています。

 

 2020年2月頃から、世界は新型ウイルス感染症(COVID-19)の拡大という極めて大きい災禍に見舞われ、現在に到っています。コロナウイルス感染拡大予防の観点から、小・中・高・大でのオンライン授業への関心が高まり、暗中模索の段階から、英語教師の経験の積み上げを通して、次第に、より進化したオンライン授業での取り組みが試みられているように思います。しかし、今後の大きな課題としては、オンライン授業でのICT活用面では、改善すべき多くの課題があるように思われます。

 

 中学・高校・大学を通じて、生徒、学生が多様化してきており、教授法の知識や指導技術だけでは、授業が成立しない現象が至る所で起きています。英語教師として、英語授業作りのための意識改革が必要になっているように思います。教師の指示に従わせるという従来の指導のやり方が、既に通用しなくなってきています。「教える」というこれまでの教師にとって重要であった職能だけでは、もはやAIやインターネットに置き換えられてしまうように思われます。人間が人間らしく育つ為には、「心」と「人格」を大切にした教育に重きを置く事が不可欠と思っています。従来の教える事が目的の授業から,学習者にとって学びを生むことが目的の授業に切り替え,人間的成長を促す教育を創造していくことが求められています。

 当研究所では,このような現在,我が国で求められている教育課題を,英語教育の立場から幅広く考え,英語の授業改善につながる諸課題を,会員主体の月例研究会で発表し合い,協議を重ねながら,授業改善を通して,人間教育を重視した英語教育の向上を目指しています。このような方針にご賛同頂ける方々のご参加をお待ちしております。